聖なる夜、俺の屍を越えていけ
王子小劇場プロデュース「俺の屍を越えていけ」
「俺の屍〜」もついに3度目の観劇。
自分の中では日本戯曲の名作みたいな作品になりつつある。
最初に観たのは渡辺源四郎商店の旗揚げ公演。2度目はその旗揚げ公演と並行して行われた青年団自主企画にて。初演の頃はまだ演劇の“え”の字も知らなかったので、まぁこんなもん。
前2作は、どちらも集団の方法論として(いわゆる)劇的な要素を極力排除し抑えた演技というのが特徴で、淡々とした会話のやり取りから浮き上がってくる日常の機微というのが魅力的だった。
一方今回の王子小劇場プロデュースはというと、特に抑えたという印象はなく、かといって過剰でもなく、若い俳優陣から滲み出る“鋭さ”や“熱さ”が、芝居をダイナミックな会話劇へと変化させていたように感じた。
キャストも若手で最近注目されている小劇場系劇団の人たちばかり。しかも普段は全く違うスタイルの芝居をやっている人も多いようで(全部の劇団を観たことはないけども)、まさにキャストのちゃんこ鍋状態。
しかし、バラバラという印象はそれほどなく、1つのちゃんこ鍋として美味〜く仕上がっていた。
やはりこれも戯曲の力だろうか。
シンプルだけれども力強いプロット。山田洋次作品のような暖かみ。全ての畑澤聖悟さんの作品には、登場人物一人一人への愛情がとても感じられる。
先日友人にも言われたことだが、やはり作家の存在は非常に大きい。
この作品は数十年後も古典作品として愛され続ける作品じゃなかろうか。
そんな作品を書ける存在が今の我々には不可欠なのかもしれない。
ちなみに今回の公演は「王子トリビュート001 畑澤聖悟」の一環で3作品の内の1作目。ここまできたら2作目も観ないわけにはいかない。
次回はいるかHotelによる「月と牛の耳」。
なぜか東京に来て青森の劇作家を堪能して帰ることになりそうだ。

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